Quantcast
Channel: ambassador @ young-germany.jp
Viewing all articles
Browse latest Browse all 235

「もう一度日本でしたいこと」(17)

$
0
0
気がつかないうちに定年退職の日が近づいているので、そろそろ用意しないといけないのだ。だから『大使日記』はこれから週末だけ普段の「日記」を書き、毎日「日記」の代わりに、「日本では何がよかったのですか」と時々聞かれることに、答えとして準備したことを少しずつ書きたいと思う。「もう一度日本でしたいこと」という。よろしくお願いします。




夏も盛り、その年一番の猛暑と言われた日の昼間、ある大学の合気道の稽古を1時間半、一緒にやらせてもらったことがあります。みんなもちろん私より数十歳若く、はるかにしっかりと鍛え、コンディションもよさそうです。そして、稽古は毎日昼間の同じ時間にやっています。当然クーラーはありません。いくつか窓が開いているだけです。稽古はすぐにハイペースになりました。そして何と私自身もすぐに、若者たちの稽古のペースに自分の身体がなれていくのを感じました。もちろん、全く互角とはいきません。しかし、30年間合気道を続けてきた成果が、多少は体力と集中力にあらわれたのです。そして、何よりも、仲間とともに無心に身体を動かすという感覚が大切です。汗が流れるように、身体が動きます。自分の呼吸が仲間全員の動きに合ってきます。ここでは、「生きる」とは「力を使い果たす」ことです。厳しい暑さの日本の夏、仲間とともに力を出し尽くす。ぜひもう一度経験したいです。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 235

Trending Articles