Quantcast
Channel: ambassador @ young-germany.jp
Viewing all articles
Browse latest Browse all 235

私、ナチ?

$
0
0
「結局、俺はナチだ」と、ラース・フォン・トリアー(Lars von Trier)というデンマークの監督は2011年のカンヌ映画祭で、記者の前に言った。結果、彼は映画祭から出なければならなくなった。彼の言いたい意味は、彼は監督としても、個人的にも「ドイツ人」であることだったそう。ものをきちんと、効率的にする人間であるという意味らしい。同じように十年前ぐらい、ある若い中国の女性作家は小説で、「あたし、ナチが大好きだわ」と書いてあった。ここ、生活をきちんと、効率的に生きている彼女のボーイフレンドの話だ。
現在の世界の中に「ナチ」という言葉は「何でもきちんと、効率的にしたい人間である典型的なドイツ人」の意味になってきただろう。ま、世界中歴史にあまり関心のない人が多いし、自分は効率的であると言われるのも、それはそれでドイツ人としていいと思うけど。併し、ナチは想像出来ないほど犯罪的な行動をしたのは事実で、誰でもそれを忘れてはいけない、と私は思う。デンマークであれ、中国であれ、どこでも、何百万も犠牲した人々に対する同情と尊敬を感じるべき。それは人間らしい。同時に我々ナチを経験していない世代の義務だ。
ところで、ドイツ人としてよく考えたことなのだけど、もしもナチが戦争で勝ったならば、今のドイツはどのような国だろうか。独裁主義の国で、個人的な自由の無い、戦争の伝統を続けていく国で、結局自分の国民を撮って、他国の人間にとっても不幸を興す国と思っていいだろう。戦争で負けて、自由化のおかげで、今の文化や経済の豊かさを果たすことが出来たのだ。ドイツは最近の世界中で行った世論調査の結果によって一番好まれている国だ、ということもその歴史の重要な結果と思われる。日本も毎年この世論調査で一番の上の位置の1つにいることを考えると、これはドイツと日本が似ている点ではなかろうか。

Viewing all articles
Browse latest Browse all 235

Trending Articles