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「もう一度日本でしたいこと」(2)

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気がつかないうちに定年退職の日が近づいているので、そろそろ用意しないといけないのだ。だから『大使日記』はこれから週末だけ普段の「日記」を書き、毎日「日記」の代わりに、「日本では何がよかったのですか」と時々聞かれることに、答えとして準備したことを少しずつ書きたいと思う。「もう一度日本でしたいこと」という。よろしくお願いします。


富士山

2012年に富士登山を行いました。想像していなかったことがたくさんありました。まず、あんなにきついとは!富士山の場合、上へ上へとのぼり続けるだけで、傾斜は増すばかり。普通の山のように、下りになっている部分や、平らなところがないのです。また、あんなに人が多いとは!毎晩、何千もの登山客が頂上をめざします。最近の登山客がみなつけているヘッドライトが列をなして上へ上へとのぼっていきます。高度が高くなると、道は狭くなり、進んでは止まるを繰り返します(但し、そのおかげで頻繁に一息つけるわけです)。光る誘導棒を手に、遅い人、速い人を左右に分けて交通整理をする係もいます。山小屋は人でごった返し、道の脇では、先に進めなくなって座り込んだり、休んだり、眠ったりする人々で溢れています。中には嘔吐している人もいます。また、天候があんなに厄介なものだとは!雲一つない星空かと思えば、一分後には霧に包まれたり、あたり一面雲にかくれているかと思えば、広く海まで見渡せたりします。また、下山があんなに大変だとは思いませんでした。ゴロゴロとした石だらけの場所が続き、きれいだと思える場所もなく、辛うじて、地面から舞い上がるホコリをこぬか雨が抑えてくれていることが救いでした。このようなきつい運動も、また、そのご褒美として何千人もの人々と一緒に山頂にたどり着き、ともに日の出を待つという体験も素晴しいものでした。私たちは富士山を見ました。そして、自分たちを越えた何かを見ました。次回は全てもっとうまくいくでしょう。登山前の期待はもっと大きくなるかもしれません。富士登山はぜひもう一度トライしたい山です。

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