松江の学校は今、他のところと同じ、夏休みだ。しかし、開星中学校と出雲高等学校の校長先生たちは生徒たちに連絡して、ドイツ大使の講演を聞きに来ないかと。両学校の場合にも全員の10パーセントが来た。じゃ、一番勤勉の、野心のある、勉強大好きの生徒たちであるに違いないと私は思った。
確かにそう、と後で考えた。
中学校では、「どう国際人になるか」とかということを話してくださいと私は頼まれたのであった。それはいろいろな面があるけれど、大使とは「国際人」であるのだから、話しやすいテーマだ。面白いのは、生徒たちの反応だった。若い世代だから、彼らは国際社会に対する好奇心が強い。だから次のステップは簡単。学生国際交流のプログラムに参加すれば、よい国際人になりうるだろう。
出雲高等学校では、テーマはより幅が広い。世界時勢、日独関係、「大使」の仕事などという難しいことだった。だから国家の働きも、国際社会の働きの問題も(戦争の危険を含んで)、外交政策の概念と倫理も、最後にドイツと日本のような中規模国の仕事などをふれた。
もうたくさんだろうと心配したが、後の質疑応答の時、生徒たちはよく聞いて、問題を深くまで調べたい気持ちを表した。最近、ドイツのある雑誌では、若い日本人はあまり勤勉していないと書いてあったが、松江のこの若者たちを見ると、この記事はどう言う意味かわからない。
若い日本人を見ると、日本は心配が必要無いと思う。
松江は優れた生徒たちがいる。と、後で思っても、もう一度夏休みに講演しに行かないとも。暑さで皆さんがこんなに苦労しているところで、気の毒だから。(うん、大使も。)