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Channel: ambassador @ young-germany.jp
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途中(21)

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緑色は列車の窓のすぐ前に。植物はいっぱい、列車はゆっくりと。遠いところに薄い煙幕が見える。人がほとんど乗っていない。若い女の人だけ向側に青色のベンチの上に座っている。黒色のリクルートスーツを着ている。スマートなベントナイト。ただ素敵な黒いパンプスのベルトをはずしている。顔のしぐさが全然ない。つい前の方にじっと見ている。
時間がすんでしまう。女の人はまだ顔のしぐさなしで座って、じっと見ている。外の緑色の景色もかわらない。中は涼しいので、降りたくない。突然女の人はビシネスバッグの中から携帯を出し、急いで何かをタイプする。それに又何から何まで動かないで何も見えないように座る。
列車が止まる。スリム、ただ者じゃない、ハンサムの男が入って来る。スマートな、黒色のリクルートスーツを着る。只、黒い、新しい靴のベルトを外している。女の人はにこにこ、彼は一言を言い、女の人のそばに座る。女の人携帯を出し、男に見せる。彼は短く笑う。



次の駅、二人も降りる。男は女の人のビシネスバッグを持ってくれる。女はたくさんしゃべりそう。

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